良いスピーチ

今日は久しぶりにスピーチ・プログラムを東京で開催しました。

大体僕は「話し方教室」なるものがそもそも嫌いです。昔ある人が「話し方教室」をやっているということで、僕のところにきて一緒にやらないかというのですが、どうみてもその人の話方は全く「ブーッ!!」なのです。

「こんな人が話し方やっとるのかい」と思ったら、げっそりして「絶対に話し方教室だけはやるもんかい」と思っていたのですが、2014年に、私がある大会でスピーチをしたところ、参加者の一人から「どうしたら、そんな話ができるのですか?なんとしてもその秘伝を教えてください」と懇願されました。

私は「話し方教室は嫌いだしなあ!」と言ったのですが、その人もがんとして諦めず「なんとかお願いします」の一点張りで渋々やることになりました。
しかし「どうせやるなら」ということで、改めて総合的に勉強してみると、いろいろと面白いことがわかってきて「よしやろう」ということになったのです。

はっきりいいます。いい話ができるかどうかは「情熱と技術」です。決して生まれ持った才能ではありません。

あるとき、一人の社長さんがスピーチ講座を受けにこられたことがあります。
その社長さんは、かつて社員の結婚式のときにスピーチを頼まれのですが、いざ舞台の上にたつと頭が真っ白になり、結局「あわあわあわあわ」というのみで、そのまますごすごと舞台の上から降りたというのです。
そして今度また社員の結婚式で主賓のスピーチをするはめに陥ったというのです。その社長さんはかつての悪夢が蘇ってきて、毎晩べっちょりと寝汗をかくほど心に重しがのっていました。
「先生、私でも大丈夫でしょうか?」という質問に対する私の答えは「全く大丈夫です!!!!

「習うよりなれろ」という諺もありますが、しかし「正しい理論を習うことは」は非常に重要なのです。

結局その社長さんは喜び勇んで帰り、結婚式の当日、素晴らしい話ができて、みなさん感動していたようです。
しかしみなさんは「良い話だった」ということよりも「あの社長がなんで、あんなに話がうまくなったのかしら?????」とこっちの方に意識がいってしまい、話が終わったあと、『?』のざわめきがしばらく続いたそうです。
てなわけでスピーチは情熱と技術以外のなにものでないのですが、しかしこの根本はやはりその人の「人生」そのものが浮き彫りになります。
「その人の生き様」がスピーチに溢れ出てくるのです。

それにしても、今回の選挙各党の党首たちはどんなことを国民に訴えるのでしょうか?
私は政治家のスピーチも数々研究しましたが、やはりあの田中角栄は人の心を鷲掴みするスピーチをしますし、小泉さんの「郵政民営化選挙ガリレオ演説」も劇場型スピーチの典型です。

今回安倍総理と小池さんどうなることやら。「希望の党」の小池さんは、もう今年の始めにこの党名を決めていたというのですから、確信犯ですな。
「自民・公明」対「希望」なわけですが、今日研修を終えて会場を出たら、こんな公明党のポスターが貼ってありました。

私は思わず「なんじゃこりゃ!!」と思ったのですが、これは単なる偶然でしょうかねえ。

ブラックユーモアのような気もしますが。
まあいずれにしても、今回の選挙私たちは、その政治家や政党が語る言葉の奥にある真意にしっかりと耳を傾けていきたいと思います。
 
そういうわけで、皆さんまた明日も良い1日になりますように。
 
それではごきげんよう!