理念

早いもので、私が人間教育の道に入ってから20年の歳月が流れました。大学を出るときは、「人間教育の道に進みたい」と熱望しておりましたが、当時はそういう職種がなんであるのか、自分でもさっぱり分からずにおりました。その時出会ったのが、あの松下幸之助翁です。当時松下翁は88歳でしたが、松下政経塾の面接でお目にかかったときに、「このままでは日本は駄目になる。財政が破綻するし、日本人が駄目になる。わたしはこの松下政経塾を昭和の松下村塾にしたいのや。」の言葉が今でも深く心に残っております。

その後、多くの塾生達は政治の道に進みましたが、私はひたすら人間教育の道を進んできました。自分の人生を人づくりに賭けようと、入塾当初から思っていたからです。そのために政経塾時代には、行動科学を研究し、感受性訓練やエンカウンター訓練などを通して、人間学の研究に没頭いたしました。

27歳の時に、現在の株式会社ルネッサンス・ユニバーシティの前身にあたる企業教育の会社を作りました。その後20年間、多くの方々に支えられ、お陰さまで今日まで忙しく活動させて頂いておりますことを、深く感謝しております。

その間には、市民運動として、<リンカーン・フォーラム>による「公開討論会」や、「首相公選」、「マニフェスト」など数々の運動の取り組みをしてきました。それぞれに大きな手ごたえを感じましたが、20年間変わらずに訴えてきたのが、「陽転思考」を中心とした「自分づくりとリーダーシップ力」の養成です。そして、今こそ「人間力」が最も必要とされていることを、様々な企業や団体での講演や研修を通して痛感しております。

「人間力」は、正しい考え方を習慣にし、鍛錬することで身につきます。人は自分自身を高めようと努力すると、確実に成長し、その結果、その人個人のみならず、その人を取り巻く環境も変化します。それはとても楽しい経験なはずです。私はこれまでの体験を通して、そのことを確信しております。

企業などや団体で研修を実施する場合、そのグループの意図をじっくり聞き、本当に私がお役に立てるのか判断します。もし相手の方が、単なるハウツーや知識を学びたいのであれば、それは私の出番ではないからです。しかしよく検討し、その目的を明確にした上で実施した場合、本当に素晴らしい結果を得ることができます。そして人が成長していくことに私自身が参画していくことは、この上もない喜びでもあります。

そして人と人が良き出会いをしていくことに尽きせぬ興味を感じています。

まさに「縁尋奇妙(えんじんきみょう)」です。

これからも、良き出会いができますこと願っております。

株式会社ルネッサンス・ユニバーシティ 代表取締役 小田全宏