陽転思考

陽転思考

ほんとうの自分と出会うために

陽転思考

出版社:日本コンサルタントグループ
価 格:1,400円(税抜)
発売日:1994年11月
購 入:

目 次:
第1章 陽転
第2章 日々
第3章 人生
第4章 夢現
第5章 こころ
第6章 縁循環
第7章 先人の知恵
第8章 地球人

内 容:
人生創造の根本原理。陽転思考とは、輝ける人生を切り拓くために、自分のなかに眠っている素晴らしい自己との出会いを起こしてくれる“鍵”である。松下政経塾出身の異才が、人類の新たなる生命復興をテーマに語りかける珠玉の一編。真に自己を活かせる原理がここにある。

陽転思考とは―

物事を太陽のように明るく転じて見ていこうという考え方です。この世のあらゆる物事に対し、良いことも悪いこともすべて含めてありのままに受け止め、そこからさまざまな可能性を拓いていこうというものです。

陽転思考〉は絶望したり苦しんだりした時に、そこから逃避するのではなく、真正面からその状況を受け止めて陽の方向性に導くというものです。よく「ピンチはチャンス」といいますが、まさにピンチの時にこそ〈陽転思考〉は生きるのであり、チャンスに転じることができるのです。
苦しみを乗り越えた時、それがその人の人生に鮮かな光と深みをもたらすのです。

引用1
では、〈陽転思考〉と所謂「成功哲学」「積極思考」はどこが違うのでしょう。
たとえば、ここにある的(目標)があるとして、それに向かって思い切り矢を放ったとします。「成功哲学」や「積極思考」では必ず矢は的に当たらなければなりません。しかし、現実には的のそばや全然違った方向に矢が刺さることもあるはずです。その時、「成功哲学」では矢は的に当たらなかったので失敗したことになりますが、〈陽転思考〉では「それでよし」とします。この的を狙って矢を放ったが故に別の場所に当たった。だから、そこからまた新たな的に向かって弓を張ればいいという考え方です。
突き詰めれば、自分の意志で全力を尽くすことはできても、その結果は必ずしも自分の思いどおりにはならない。つまり結果は人間の自由にはならないということです。したがって、出てきた結果をすべて素直にあるがままに受け止めることができた時に、何物にもとらわれない絶対の自由が獲得できるというのが真の〈陽転思考〉の極意なのです。

[『〈陽転思考〉とはどんなものか』 より]

 

引用2
私は人間教育セミナーの一つとして『夢現マラソン』というものをやっています。この『夢現マラソン』は、ある目標を持った時、人間にどんな力が湧いてくるか、それを皆さんに体験していただくという研修です。マラソンの言葉どおり、ある目標を達成するために半年という期間をかけてやっていただくわけですが、これはあくまでも参加された方々が自分の人生を見つめ直すきっかけとなってほしいと考えるもので、必ずしも目標達成が目的ではありません。
『夢現マラソン』は三つのセッションで構成されています。最初のセッションでは一泊二日をかけて自分を深く知るという研修を行います。自分の人生を振り返って、人間としてどのように生きてきたかを見つめ直し、これからどのように生きていきたいのか、どんなことを達成したいのかを掘り下げてもらいます。・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)・・・・・・・・・・・・もちろん、思うように達成できなかった方もいらっしゃいますが、それでも良いのです。最初にも述べたように、目標に向かって頑張ることで自分を深く見つめ、新しい自分に脱皮するきっかけをつかんでいただけたら、『夢現マラソン』本来の目的は達成できたのですから。

[『夢現マラソン』 より]

 

引用3
自分の王国を輝かしいものにするには、いつも心を耕していなければなりません。広大な台地が燦々と降り注ぐ太陽の光を全身で受け止めているように、〈宇宙の哲理〉を受け止める自分の心の王国を築く努力をする時、他人の言葉はあなたに敵対するものではなく、あなたの王国を豊かにする言葉になっていくのです。

[『自分の王国をつくる』 より]

 

引用4
職業に貴賎はありません。しかし、その仕事に取り組む意識の貴賎は厳然としてあります。単なる金儲けであれば、いかにその仕事が傍目には立派でも、賎しい仕事なのです。逆にいくら目立たない仕事でも、その仕事に対して自分自身が強い情熱と誇りを抱いているとしたら、それは貴い仕事なのです。
つまり、その人の根本的な思想が、その人の仕事の貴賎を決定していくのです。私たちは、仕事にはめ込まれるネジではありません。ある社会的な仕事をしている存在の前に、一個の人間なのです。
自分という素材をどのように磨き上げるか、人間にとって思想の確立、精神の練磨こそが第一義的に私たちが取り組むべき課題でしょう。社会が複雑化し、自分を社会の枠組みのなかでしか考えられなくなった今日、“自然に還れ”というルソーの言葉は、私たちに対する“自分自身に還れ”という警鐘のような気がします。

[『人間を創る』 より]

 

引用5
私は、この十年間にわたる人間教育の実践のなかで、すべての人の生命のなかに、その人を幸福に導こうとする根源的な力と、その人を慈しむ“やさしいまなざし”が存在することを感じています。
その意味で、〈陽転思考〉とは、自分のなかに眠っている素晴らしい自己との出会いを起していく“鍵”なのです。

[『あとがき』 より]