美人弁天というのはこれいかに?

今日僕は、栃木県の足利にいってきました。何しに行ったかというと「神社詣り!」です。
「どんな神社?」というと、それは「美人弁天」という神社です。

「美人弁天?」というのは多分99,99999%の人は知らないと思います。
弁天さんというのは七福神の一人の神様で、もともとはインドのサラスワティという芸能の神様です。手に大きな琵琶をもっているので、ご存知の方もいらっしゃると思います。
しかし「美人弁天」というのはこれいかに?

実は、この弁天さん今から15年前にできているのです。誰が作ったかというと、浅沼さんという税理士の先生がこしらえたのです。

浅沼会計事務所は栃木でも100人ちかい所員をかかえる大きな税理士事務所なのですが、その事務所の近くに小さな弁天さんの神社がありました。しかしやはり年の流れの中で次第に寂れていっていました。
それを嘆いた浅沼さんは自分でお金をだしてその「弁天さん」を復興しようと決意したのです。

しかしどうせ復興するのなら、面白いものにしようと思い、「この弁天さんに詣ると美人になる!!」というコンセプトをでっちあげるのです。

そしてご自身が好きな「山本富士子」「吉永小百合」「佐久間良子」に似た三体の弁天さんを作り、ここにお参りし、その像の顔をスリスリと手でなでると、「あなたも美人!」ということになり、その後は「美人証明」なるものを発行したのです。
そんなことをしたら、全国から観光客がどっと押し寄せてきたのです。

僕が行ったときも、なんと秋田から観光バスがきていました。秋田といえば「美人」で有名ですが、そのバスから出てきた方々は、みんなおばあちゃんおじいちゃんばかりでしたが、しかし熱心に弁天さんの顔をスリスリしていました。

これによっておばあちゃんたちが美人になったかどうかはわかりませんが、その後「美人証明」をもらって喜んでいました。

神社というのはその町のいわば、パワースポットのようなものですが、それが寂れていくのは街のパワーが停滞していっているようなものです。
それを一人の志あるひとが、「よーし!」といってお金を出し、またアイデアを出し町おこしをするというのは本当に素晴らしいことだなあとつくづく思いました。

浅沼さんは、現在年齢が82歳なのですが、そのパワーたるや半端ではなく、私に対して「これからの私の夢は、生涯かけて日本を『美の国』にすることです。まだまだ死んで入られません!わはははっははああはははっはは!」と豪快に笑っておられました。

まあ私たちは、一人の力で神社を復興させることはできませんが、しかしたとえどんなに小さなことでも、「あなたの力」で街が一ミリでもよくなることをしているときに、あなたはまさに「街の神様」なのだろうと思います。

その後、日本最古の学校である足利学校にいったのですが、平安時代に創建されたといわれている足利学校にはかつて3000人の門弟たちが集まって「易学」や「兵学」を熱心に学んでいたといいます。僕も講堂にあがり、少しの間でしたが、論語の書物をひろげて勉強していました。
そうするとなんとなく、昔の学生たちの息遣いが聞こえてくるような気がしました。

短い足利滞在でしたが、まさに「日本晴れ!」の大快晴のなか、意義深い旅でした。

それではみなさま、今日も最高の1日に、ごきげんよう!