人に何かを伝えるということ

昨日は大阪でスピーチ・プログラムの1日目でした。
多くの人がスピーチ法などというものを習ったことがありませんし、また日本では「沈黙は金」などといって、黙っている方が、価値があるなどと言われていた時代もあります。

むかしのCMで、高倉健さんが「男は黙ってサッポロビール」というのがありましたが、今ではやはりそんなことも言っていられません。
自分の想いを相手に届けなければなりません。

今から3年前、ある人に「なんとかスピーチ講座」をやってもらえませんか?と頼まれたのがきっかけで「スピーチ講座」を始めたのですが、これをやってみるとはっきりとわかるのは、人がスピーチの正しい理論を学ぶと、一気に上手になるということです。

昨日も、みなさん理論を知って「なるほどそういうことだったのか!」ということでみるみる上手になっていく様子を拝見しました。

僕がいう「上手くなる」というのは、いわゆるアナウンサー的な綺麗な話し方ではありません。
自分の想いが相手に伝わるということです。
でもこれがそう簡単ではないのです。
なぜなら、人は自分の思っていることを「論理的にも、感情的にも」相手に正確に伝えるすべを持っていないからです。

そしてもう一つやっかいなことがあります。
それは、聴いている人も頭の中で様々な思考の枠組みや知識レベルの違いあるので、話し手の意図を正確に把握することができない可能性があるということです。

例えば僕が、「昔松下幸之助翁は『成功の秘訣は成功するまで続けることである』と語っていたました」という話をするときの前提は、聴き手が「松下幸之助翁というのはナショナル・パナソニックの創業者で、経営の神様といわれた、大変尊敬されている人物である」ということを知っているということです。

そのことを知らないで聴いている人にとっては、それこそどこぞの「ごんざぶろうさん」の発言だと思われて、その重みも伝わらない可能性があるのです。

日々、講演や研修をしていて感じることは、本当に言葉というのは生き物で、僕が当たり前のことも、別の人にとっては、聞いたことも見たこともないことになることもあります。

この間、「ユーミンがね」と言ったら、高校生の女の子が「ユーミンって誰ですか?」と聞いてきて、たまげたことがあります。
「ユーミン」がわからないのですから、もう時代の分断ですな。

やはり、スピーチをする時に大切なことは、「本当に相手にこのとこを伝えたい!」と熱烈に思って伝えるということです。
そうすると、相手に伝わる可能性が高くなります。
どんなに稚拙でも、その想いの強さが相手に伝わるのですね。

今回もスピーチ・プログラムをやりながら、世の中で少しでも人前で話をする機会がある人には、全員この講座を受けていただきたいとひしひしと感じたものです。

そして昨日の夜は、大阪の本町にある「かぼちゃの馬車」という洋風居酒屋でアクティブの講師陣10人くらいと懇親会をしました。
通常土曜日は営業していないのですが、特別に貸し切りで開いてくれました。

それにしてもやはり講師陣のワイワイアクティブパワーに圧倒されながら、えらいこっちゃと思っていたのですが、実はこの「かぼちゃの馬車」のシェフの「くろちゃん」もアクティブの卒業生です。

とにかく料理に対する研究熱心さが半端なく、いつも僕は「うまあああああい!」と連発しています。

そして、どこからか、僕がアジフライの大好物だと聞きつけて、今回は特別に目の前で揚げてくれたのです。
衣はサックサクで中の身はふっわふわ!めちゃくちゃ美味しかったです!

もし近くにいったら、ぜひ「かぼちゃの馬車」に立ち寄ってみてください。
僕の名前を出したら何かサービスしてくれるかもしれません!

というわけで今日はスピーチ・プログラム2日目です。
今日は、緊張したときの対処法、あがらない秘訣を伝授します。

では、みなさん、今日もよき週末を!

ごきげんよう!