今日は北海道フロンティアカレッジの合宿の二日目です。昨日の夜各チームは夜中まで、ああでもないこうでもないと議論をして発表したのですが、実に面白い企画を立てていました。

次回の時までには、もっともっと煮詰まったものになると思います。
でも毎回あるのは、「こんなはずじゃなかった!」といういわゆる「当てがはずれる」ことなのです。そのときどう考えるか?

「ああやっぱり無理だった」と考えるか「きっとできる」と考えるか?
昔松下幸之助翁は「できない理由を100あげるよりもどうしたらできるかという方法を1つ考えることが大切です」ということを常に言っていましたが、まさにそうなのです。
みんなで議論する時のポイントは「三人寄れば文殊の知恵」です。
文殊菩薩というのはお釈迦様の弟子の一人で知恵第一という仏様のことをさすのですが、要するに三人よったら、一人の賢い人が考えるよりも素晴らしい考えに到達するということを表しています。

実は、研修中に「コンセンサス実習」というものをやります。コンセンサスというのは「すべての人の合意」のことを言うのですが、多数決でもまた独裁的通達でもありません。
実習の中で「面白い議題」を与えます。「月で遭難した時にどうするか?」
「砂漠で遭難したときにどうするか?」
こんなことはだれも経験したことはないでしょう。しかしこれらの問題には実は専門家が考えた「正解」というものがあるのですが、不思議なことに全くの素人で何の知識もないもの同士が、心を開いて一生懸命考えますと、限りなくその正解に近づくのです。
ところが、そのときグループに立場の強い人がいて、その人が「こうだ、こうだ」と勝手にひっぱっていくと、大体は破滅的な結果になってしまうのです。
つまり、立場問わず、お互いの心の中に相手の話しに対して真理を見出す心を持つことが大切なのです。
そうすると、「Aの考え」と「Bの考え」が融合されて、全くあたらしい「 Xの考え」が創造されるのです。
いわゆるシナジーといわれる相乗効果がどんと起きるのですね。
それが起きる時のポイントは二つです。第一は、たとえ自分の考えと違っても相手の話しを否定せずに真摯に聞くこと。第二は、その答えに到達するために積極的に一人一人のメンバーが取り組むことです。
今回の合宿でも、メンバーたちは真剣に考えましたが、しかしはじめは決してすいすいいくわけではありません。しかしこの二つのことを念頭において議論をしていくときに、数時間後のある瞬間にすーっと不思議な到達点があって、全員が
「そうだそうだそれで行こう!」ということになるのです。
心が一つになる瞬間ですね。
研修の最後にある年配の経営者の方が、「今回の合宿を通じていかにいつも自分が部下に対して議論や意見を聞くのではなく、自分の考えをただただ通達していたのだと言うことに気がつきました」とおっしゃっていたのが印象的でした。
最後にもう一度松下幸之助翁の話をお伝えしたいと思います。
松下翁はよく成功の秘訣をきかれたときに「僕は学歴がなかったことと体が弱かったことが成功の秘訣だったと思う」と語ったことがあります。
その真意は「学歴がなかったから僕は部下の意見に真剣に耳を傾けたな。そして体が弱かったからいつも部下に『頼む』と真剣に頼んだな。だから部下が育ったと思うな」ということでした。
決して松下翁はスーパーマンではなかったのですね。

それを聞いた塾生の一人が「松下塾長、では僕は大学も出ていますし、体も元気なのですが、成功しないのでしょうか?」という質問をしたところ
松下翁は一言
「君はアホか!僕でもここまできた。君らはもっともっとできてあたりまえやろ!!!!」と怒っていました。
本当に「君はあほあほあほあほああああああほほほほほほ!!!!」でありました。

一応確認しておきますが、塾でこの質問を松下翁にしたのは私ではありません。