リーダーというのはどんなときでも

先日娘の安希与から「お父さん最近ブログ全く書いてないね!去年の8月からこれから一生続けるといったのにあああ、嘘やん!」と厳しいダメ出し。

確かにまことにその通り、最近「忙しい」を言い訳に全くブログを書かず「これかいかん」と思っている今日、またまた再開であります。しかしこれで一生続けるかというと、また適当に終わってしまう可能性もあるのですが、まああまり片意地はらず、楽しくいきたいと思います。

実は今日我が家に江口克彦先生がおいでになりました。江口先生という方は昔松下幸之助翁の懐刀としてPHPを牽引し、私が出た松下政経塾の設計図を全部書かれた方です。

昔からお世話になっている先生で、今日久しぶりにお目にかかり非常に楽しいひと時でした。
しかしただただ楽しいだけではなく、その一言一言が含蓄の深いこと深いこと、それこそ目の前で松下幸之助翁が直接お話をしてくださっているような気になりました。

様々心に残っていますが、一つ二つお話ししたいと思います。30代の時の江口先生は松下翁が夜中によく電話してこられたそうです。
11時半まで会社で話をして家に帰り、バタンキューとなっていると夜中の1時半に電話がリンリンとなる。ぐっすり眠っているときに叩き起こされるのですから頭はハンマーで殴られたような衝撃で、電話口に出るときには朦朧としているそうです。

真っ暗な中、電話をとると電話の向こうから「江口くんか?ちょっと君の声が聞きたかったのや。君の声を聞くと元気がでるのや」という松下翁の声が聞こえると、真っ暗闇なのに目の前がパーッとピンク色に輝いて、「どんなことでも頑張ろう」という気になったそうです。

「この人のためなら死んでもかまわない」と思えるほど人の心を掴むというのはどういうことかと思います。
夜中の1時半にしばしば電話をかけて、社員に「ひどい」と思わせない力というのはどういうものでしょうか?
それは多分リーダーが社員に対し心からの期待と信頼を寄せているからだろうと思います。

多分「自分さえよければいい」と思っているブラック企業社長も世の中では少なくないと思いますが、松下翁は相手を本当に心服させる力を持っていたのだろうと思います。

江口先生とは食事をしながら3時間以上それこそ録音しておきたいくらい宝物のような話をしていただきましたし、僕がみなさんにそれを再現するのは簡単ではないのですが、リーダーとしての心構えとしてこんなことを聞きました。

松下翁は「リーダーというのはどんな時でも心を許して遊んだらあかんな」というのです。
よく、「仕事ができる人間は、よく働きよく遊ぶ」といわれるようにオンとオフの切り替えが上手だといわれます。しかし松下翁は遊んでいるときでさえも、常に心の中で仕事のことに直結する心構えを持っていなければならないというのですから大変です。

どんな仕事でも、たとえそれが1万人の会社でも10人の会社でも「一人のリーダーが命をかけてそれに取り組まなければならない。遊んでいるときに仕事のことをきれいさっぱり忘れているようではリーダー失格やな」とおっしゃっていたそうです。

僕は遊んでいるときには、それこそすべて忘れて遊んでいますから、我が身を振り返ったときに心がキュッとしました。
確かに真剣になるときというのは、その物事が常に心の中で動いている状態を指すのだろうと思います。

僕も物事に没頭するときには、寝食を忘れてその仕事に取り組むことがあります。
その時はなるほど大変ではありますが、魂をぶちこんで取り組んで始めてふつふつとした生きがいが生まれてくるというのも真実です。

江口先生というのは多分松下翁が一番心を許して人生のすべてをお話になった方だと思います。
ですから江口先生の言葉は、まさに松下翁の言葉として僕の心に響きました。

「小田くんな、君は今やっている仕事に命をかけているか?」
そんな松下翁の言葉が僕の心にささってきたひと時でした。

今日もよき1日を!

ごきげんよう!